2014年3月1日土曜日

貸借倍率と損切りより大切なこと、心を準備するためにできること

貸借倍率について

信用取引での、信用買いの株数を信用売りの株数で
割ったものを貸借倍率といいます。

信用の買いで持っている人は、現物で株を保有して
いるより、短期間で売ることがほとんどです。

信用とはうまい言い方ですが、実際は、
借金して買っているに過ぎないから当然早く現金に
もどしたくなります。また信用の売りも近い将来に
買い戻されます。

従って、この倍率が1を下回ると、近い将来、
信用売から買い戻される株数が信用買いから
売られる株数より多いので、株価が上がる可能性が
高いと推測できます。

実際には何らかの理由で下がると思っている投資家が
空売りをしているので、そう単純にいくとは限らない
ことも心に留めておいてください。

このように空売りが多く入っている銘柄に買い注文が
多く入り空売りをしていた投資家が、
含み損に耐え切れなくなり高値で買い戻し、
その買い戻しによってさらに株価が上がっていく状態を

 ”踏み上げ” 

といいます。

優秀な投資家の多くがこの貸借倍率をチェックして、
この”踏み上げ”を狙った投資を行っています。

これに私なりの分析でお伝えしたいことがあります。

貸借倍率は重要ではありますが、実際のその銘柄の
売買代金に比べて、信用買い、信用売で溜まっている株数が、

例えば一日の売買代金の半分程度しかない場合と、
5日分も溜まっている場合では、この踏み上げに
与える影響は大きく変わってくるはずです。

貸借倍率について語られても、この信用による株数が
売買代金に対してどの程度溜まっているかという観点で
語られることは少ないです。

これも注意しておきましょう。

当然、売買代金に対して溜まっている空売りの株数が
多く、かつ貸借倍率が1以下になっていれば、株価が
急上昇せざるをえない踏み上げが発生する可能性が高まります。

さらに、ここが、私なりの分析で特にお伝えしたい
ことなのですが、株式市場にはお金を儲けたいという
欲望に支配された動きをすることが多いため、
不合理な動きをすることがあります。

この貸借倍率が低いものの、信用での買い数、売り数
としては、その銘柄の売買代金に対して、それほどの
株数がなく株価への影響が少ないと予想される場合も、
踏みあげのような動きをすることがあります。

これはおそらく、溜まっている株数の売買代金に対する
比率までは意識しないで、貸借倍率のみをみて踏み上げを
狙う投資家が強引に買い上げることで起きる現象なのだと
思われます。

合理的に考えられる動きをするとは限らないどころか、
不合理な動きだろうが、この方向で儲けられると
思った人が多数その方向に売買すればそちらに
ドンドンと暴力的なまでに動いてしまうのが
株式市場なのです。 

この動きは長期的には補正されることも多いですが、
当面その方向に突っ走ってしまうこともあります。 

この面からも、自分の考えと違う方向に株価が
動いた場合、逆指値設定等で問答無用にポジションを
手じまうことが大切なのです。

不合理な動きに対して、これは本来の動きとは違う
と主張しても損は膨らむだけなのです。

その場合は、精神的なダメージが膨らむ前に
手じまっておいて、自分が不合理だと思う方向に動き
きってから反発したところで、ポジションを
取り直せればベストです。

これは難しいかもしれませんが、漠然と保有を
継続するよりもは、リスクを軽減でき、利益を得る
チャンスを広げ、精神的負担を減らせるという
何重もの大きなメリットがあります。


損切りより大切なこと

損切りが大切とは既に言い尽くされてきています。
投資本で、投資ブログで、多くの生き残ってこれた
投資家が ”強く”、”クドク”、指摘し続けています。

ここではさらにその先を考えてみます。

自分の資金を失ってしまえば、もうそれまでなので、
損切りが大切なのは事実です。

その損切りをなるべく、精神的な負担を少なくして、
自動的に確実に行うことで、損切りしてその後に
すぐに次の行動に移れるようにしておくこことこそが
実戦上特に大切なことなのです。

そのため、損切りは、逆指値、トレーリングストップで
機械的に、精神的なダメージを最小化して行うようにします。

それがとても大切です。

繰り返します。

それが、とてもとても大切です。

それをやった上でその先を考えて、
即座にトレードすることが大切なのです。

私のようにその銘柄のファンダメンタルを
見てしまう人間は、恥ずかしいことですが、
以下のようになってしまうことが多いのです。

おかしい、良い企業のはずなのに、株価が下がった、
悔しいし辛いけど、しょうがないから損切りしよう。 

ああ損切りしてから、さらに株価下がっている。
俺の損切りは辛いけど、正しい行動だったんだな。 

ホッと一息。 

ここから突然の株価急上昇。
あーあ。やっぱり俺の予想は正しかったんだ。 

俺のバカバカ。なんで自分を信じて損きりしないで
耐えられなかったんだ。

と、一気にメンタルをやられて、
次の取引ができなくなってしまいます。

さらに損切りという行為自体を疑い始めます。
これも次は損切りできずに含み損を増やす
危険性を増やすので危険なことです。

私はこれを何度も経験してきました。

損切りの先まで考えて正しい対処をするとは

1.ポジションに対して機械的に逆指値か、
トレーリングストップを設定する。
これにより、損切りによる精神的ショック、
精神的な疲労を最小化して、健全なトレードを
継続できる精神状態を維持する。

2.損切りが実行された場合はすかさず株価をチェックして、
自分の損切りラインより株価が下がっている場合は、
逆指値で、自分の損切りポイント以下の株価で
買いなおしの注文を入れておく。

これにより、当初の予想通り株価が反発してきた場合は、
自分が損切りしたより安い株価で買い戻すことができる。

3.あるいはトレーリングストップ(これはポジションを
とるときにも使えます。)で買いなおす注文を入れておく。
これにより、元々、自分が株価の上昇を予想していた銘柄が
一時的な株価下落をしていたのであれば、
株価反発の初期で買い治せることになる。

ただし、その銘柄のトレンド自体が変化していないか
見極める根拠が必要。

4.例外処理として、自分の資金量に対して資金管理上
問題ないほど少額のポジションでファンダメンタルに
自信がある銘柄については損切りせずに放置も
よいかもしれません。

これらのことを確実に実行することにより、
損切り後の株価上昇による、機会損失を防ぐこととが
できます。 

また、それにより、自分のトレードに対する、
正しい信頼感を高め、正しい自己肯定感をもって
トレードを継続することができます。

ここで正しいと強調したのは、自分で自分の自信が
正しいものか、幸運による自信過剰にすぎないのかを
常に見極める冷静な目が投資家には絶対に必要だからです。

余談ですが、私のように常に自分は間違っていると
考えてしまう人間も精神に多大な悪影響を与え、

まともなトレードができなくなってしまうので、
これも良くないことで正しい認識になおす必要があります。

さらに、あなたを迷わせたくはないのですが、
事実としてお伝えしておきたいことがあります。
非常に優秀で、実際に良い投資結果を残している
投資家の中に、あまり損切りをしない人達がいます。

「損きりする奴は馬鹿だ。」と言い切っていた
億トレーダーもいました。

もちろんこれをあなたが損切りしない、
言い訳には絶対に使わないでください。

投資家はそれぞれの考え方で、他人とは違う独自の
考え方で成果を上げている人達がいます。

同じ手法を多くの人が使ってみんなでハッピーに
利益を上げることは理論上不可能ですから、
独自にこだわることが、投資の本流なのでしょう。

そして、おそらく、独自のまだ他の投資家が
考えついていない、実戦的な方法を見出した投資家こそが
最も利益を上げられるのです。

だから、損切りしないという非常識の中に勝機を
見出して実際に成功している投資家もいるのだと
ご理解ください。

ただし、そう言う人は独自の投資手法を極めています。
一般的には損切りしておいた方が無難なことに
変わりはありません。

ここで、あなたを混乱させたくはないのに、
この様な説明を追加したのは、投資で利益を得る
という目的に対して、取れる方法は無数にある
ということを是非お伝えしたかったからです。

真に優秀な投資家であれば、常識に縛られない方法を
見いだせるハズです。

ただし、そこまで成長するまでは 損切りは必須です。

私は、当然損切り必須レベルの投資家で
成長が必要なことを切実に感じています。

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